初詣の帰り道

コートの襟から冬の空気が冷たく入り込んでいました。

アリスガワ「途中で引き返した初詣の帰り道がなぜか一番心に残っています」

神宮司「人混みを離れた瞬間に気持ちがホッとしたのではありませんか」

アリスガワ「はい。逃げ出してしまったような気もしましたが、助かった気もしました」

神宮司「逃げることと、身を守ることはよく似てはいますが、別の行為だと思いますよ」

アリスガワ「守った。と言ってもいいんですね」

神宮司「ええ。生き延びる判断を優先していいんですよ。」

歩道の端にまだ溶けきらない雪が残っていました。