言葉(アリスガワ)

神宮司さんも言ってるが、この春、転職にともなって引っ越しをすることになった。
新しい家を探すにあたって、不動産屋さんには正直に伝えた。
「一緒に住むのは男性で、僕の恋人です。」と。

少し緊張しながら伝えたけれど、不動産屋さんはとてもあっさりと「そうなんですね」と受け止めてくれた。
ホッとしたし、嬉しかった。こういう小さな瞬間に、時代が少しずつ動いているのかもしれない、と思う。

そして先日、無事に新しい家が決まった。
契約書の確認をしていたときのこと。ふと目に留まった項目があった。
彼の「続柄」に書かれていたのは、「配偶者・パートナー」。

これまで、公式な書類の中で自分たちの関係性がこうして名前で書かれることって、なかった。
「配偶者」でも「親族」でもない。でも、「他人」でもない。
「パートナー」という言葉が、そこにちゃんとあったことが、少し驚きで、そして静かに胸があたたかくなった。

もちろん、この一言で社会のすべてが変わるわけじゃない。
法的には何の保障もないし、物件によっては断られることだってある(前回の新居探しは悉く断られた…)。
「続柄」って、ただの分類かもしれないけれど、
そこに書かれる言葉には、私たちの暮らし方や関係性をどう見るか、という社会のまなざしが宿っている気がする。

これから始まる新しい暮らしに、
この小さな「言葉」の存在が、そっと寄り添ってくれるだろう。